言われてみればそうだよね

不労所得で7年ほどセミリタイアして子育てしてましたが、2018年から復帰して投資講座を始めました。

本当にあった、ある投資詐欺のお話の続き

前回お話した詐欺の手法は、100年ほど前からあるポンジスキームという手法を元にしたものです。
 
Aさんは、「毎月10%入ってくる」という状態がずっと続いていることで、この投資を心から信頼するようになりました。
Aさんは自分が大金を預ける一方、「素晴らしい投資だ」と思ったので、家族や大切な友人にこの投資をどんどん勧めていきました。
 
勧められた側も、親友や家族が熱心に勧めてくるので、「少しなら・・」と少額から投資し、本当に戻ってくることを確認すると、大金を投資するようになりました。
 
実は、利益だと思っていたリターンは、運用益ではなく投資してもらったお金をそのまま返していただけだったのです。
時間が経つにつれ、参加者の信頼度がどんどん上がっていくため、口コミでますます人数も増えて投資金額も大きくなってきます。
 
特に最初の頃の参加者は自分が実際に儲かっているので、全く疑うことなく人を集めていきます。
中には、実態を知らないまま幹部になる人もいたほどです。
 
最大限に集まった、と思えたところで、詐欺師は会社をいきなり倒産させるなどでドロンします。
 
投資額以上に儲かったのは極初期の人たち(Aさん含む)だけで、その人達に勧められた参加者たちは大損をすることになりました。
 
 
この詐欺の恐ろしいところは、この極初期の人たちは、被害者であり同時に加害者になるところです。
「私はこれを心から素晴らしい投資だと信じたから、大事な人達に熱心に勧めたのに」
 
自分自身がお金を失うだけならまだしも、自分は儲かったが自分が勧めた親友たちは大金を失った、ということもあります。
 
また、この詐欺では、参加者の怒りは投資詐欺のリーダーに対してより、これを勧めてきた人に向うことになるのです。
 
Aさんは、自分の大事な人たちを投資詐欺に巻き込んでしまい、
その人達からは大金を失ったと四方八方から責められ、
なまじ自分は利益が出ているだけに、罪悪感はとても大きくなります。
 
友人たちに自分の財産を使って賠償するも足りず、
自殺することで生命保険を使って賄った人も出てくることになりました。
 
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「こんな詐欺に引っかかるやつが馬鹿だ」と一概に言えないのが、この詐欺の怖いところです。
 
今では、「この仮想通貨に投資すると利益が月○%出るよ!」みたいな進化系もありますし、
少し前に流行った「円天」という大規模な詐欺もあります。
仕手株詐欺も、ポンジスキームの亜種とも言えるでしょう。
 
ポンジスキームは、日本で「ネズミ講」と訳されることが多いですが、実際には少し違い、自分が商品を売る必要もなくただお金を預けるだけなので参加者のハードルが低くなるのが特徴です。
 
また、詐欺会社の社長を逮捕してみれば、ボスではなく雇われだったりして、うまく逃げることが多いのです。
ちなみにその逮捕された社長も騙されていて、この投資を本物だと思っていたという事もあります。
 
 
毎月○%増えるような投資が全く無いとは言いませんが、少なくとも、
 
「あんまり知られていない商品(投資)」
「出来たばっかりもの」
「特別な人にだけ教えられている投資」
 
などは、全て詐欺です。