詐欺師は簡単に人を操れる。
なぜなら、詐欺師が売ってくるのは、「あなたの願望」だからだ。
人間は情報を調べるとき、ゼロから客観的に探すことは少ない。
多くの場合、最初に「こうに違いない」という思い込みがあり、そこから逆算して情報を集める。
例えば、
「アイドルAが嫌い!」と思っている人は、きっと他の人もそうだと思い込む。
「A 嫌い」と検索すると、嫌い派の書き込みが山ほど出てくる。
「やっぱりAは嫌われてるんだ!」と確信してしまう。
逆も同じだ。
「アイドルAが大好き!」と思っていれば、今度は「A 大好き」で検索して、やっぱり人気者だと信じ込む。
これは政治でも、経済でも、健康でも、投資でも、なんにでも当てはまる。
インターネットが普及してからは、誰でも世界に向けて情報を発信できるようになった。
少数派ほど声が大きく、書き込みの量も多い。
しかも、その情報の多くは根拠が曖昧だ。
だから人は、自分の感情に合う断片だけを集め、それを「真実」と信じ込んでしまう。
一度そうなると、反論には耳を貸さず、攻撃的にすらなる。
「アメリカが嫌い!」という思い込みがあると、
- 「アメリカのやることは全部陰謀に違いない」
- 「アポロの月着陸も嘘だ」
- ネットで「証拠」を見つけて「これが真実だ!」となる
こうした心理を、詐欺師は徹底的に利用する。
ユリウス・カエサルが言ったとされる言葉がある。
「人を操るのは簡単だ。その人が求める答えを言ってやればいい」
まさにこれだ。
「あなたは特別です」
「この治療で必ず良くなります」
「実は、成功者だけが知っている秘密があるんです」
人が求めている言葉を差し出せば、疑うどころか感謝すらされる。
だから大事なのは、情報を客観的に見ることだ。
「これは本当に事実なのか?」
「自分の感情に都合が良いだけじゃないか?」
そう問い直すことが、詐欺師から身を守る唯一の方法になる。
人は真実よりも「信じたい言葉」に騙される。
だからこそ、自分の耳に心地よい言葉を一番疑うべきだ。