住宅ローンの繰り上げ返済は、「損をする行為」だと私は思っています。
日本人は、借金を抱え続けることに強い恐怖心を持っています。
たとえば、35年の住宅ローンを組んでいるときに、
まとまったお金(例えば300万円)が入ると、
「少しでも返しておこう」と繰り上げ返済してしまう人が非常に多いようです。
ちなみに、以前TVで見た
「宝くじが当たったら何をしますか?」というアンケートの第1位は、
「住宅ローンの返済」でした。
ただ、私は繰り上げ返済はやらない方がいいと考えています。
理由は、大きく2つあります。
【1つ目の理由】お金が手元から無くなるリスク
300万円を返済に充てた場合、
当然ながら、その瞬間に手元の貯金から300万円が消えます。
そのあと、もし病気・留学・親の介護・転職・事故など、
予想外の出費が必要になったら?
再びどこかから借りるしかありません。
しかしそのとき、年齢や収入状況によっては、審査が通らない可能性もあります。
仮に通ったとしても、金利は良くて年利4%前後。
一方、住宅ローンの金利は今や1%前後です。
そんな超低金利で借りておきながら、
「なるべく早く返さなきゃ」と焦るのは、正直もったいないと思います。
さらに言えば、住宅ローンには団体信用生命保険がついています。
万が一、契約者に不幸があった場合、ローンは保険で完済されます。
ですが、もし手元のお金をすべて繰り上げ返済に回していたら……
手元に資金もなく、保険も活かされない。
想像するだけで恐ろしい話です。
【2つ目の理由】その300万円を運用したほうが、はるかに合理的
300万円もあれば、投資に回して資産を育てるという選択肢もあります。
仮に月利1%だとすれば、月3万円のリターン。
税引後でも、手元には2万4千円が残ります。
これだけでも、住宅ローンの毎月の返済の一部に充てられますし、
使わずに運用を続ければ、複利でさらに資産が膨らんでいきます。
私は「株式の短期投資」が最も効率が良いと考えています。
理由としては:
- 現物株なら売買手数料が無料
- 税金がシンプルで管理が楽
- 難しくなく、時間もかからない
- 投資資本に対するリターンが比較的大きい
- リスクが限定的で、暴落の影響も受けにくい
- 必要なときにすぐ換金できる
特にこの「すぐに換金できる」という点は、本当に大きいです。
他の金融商品だと、現金化に時間がかかることもありますが、
株はスマホのボタン一つで即座に売却できます。
つまり、繰り上げ返済というのは、
「お金に働いてもらうチャンス」を自ら手放してしまう行為だと言えるのです。
もちろん、ローン返済による精神的な安心感も理解できます。
ですが、「手元に資産がある」という安心感のほうが、
私はずっと強いと感じています。
正しく学び、資産を育て、
いざというときに選択肢を持てる状態でいること。
その方が、私は圧倒的に安心だし、合理的だと考えています。