ある裕福な親戚がいて、その人は、「お金が減るのが嫌」といつも言っている。
そして、「だからお金を使う」と言い、ビンテージワインや高級時計を買いまくっている。
「お金が減る」には、
1.物理的に減る
2.価値が減る
の2種類ある。
1は、お金を使ったらその分だけ減ってしまうこと。
多くの人がこっちを思い浮かべる。
2は、お金の本当の意味をわかっている人がよく思っていること。
仮に、日銀が目指す年間2%のインフレが20年続いたとすると、
100万円で売っていた品物は、
100万円*(1.02^20)=148万5947円 になる。
およそ50%の物価上昇なので、
1÷1.5=0.66666・・・
つまり、お金の価値が67%になったということになる。
今100万円を持っていて、
それを銀行に預けたまま20年経つと、
その100万円の価値は67%しかなくなってしまうということ。
ピンとこないかもしれないけど、時代を遡って考えるとよく分かる。
貯金大好きな明治時代のご先祖がいて、タンス貯金で当時の5000円を子孫のために残しておいたとする。
(当時の5000円は、今の価値にすると1億円ぐらい)
でも今の時代では、5000円は忘年会の参加費ぐらいの価値しかない。
今は銀行の利子がほぼ0なので、預金し続けてるってことはこれと全く一緒なのだ。
このように、お金の価値は相対的なものなので、インフレが起きている以上必ず減り続ける。
「インフレが起きるなら金利も上がるんじゃないの?」
と思うかもしれないけど、
個人的にはその可能性はほぼ無いと思っている。
なぜなら、国民がお金を使わないと経済が回らない。
今の状況で、
「銀行金利をバブル期並みの6%にします」
なんて言ったらどうなるか。
我先にと貯金に走って、
国民消費があっという間に落ち込むだろう。
冒頭で、
「お金が減るのが嫌だからお金を使う」
と言っていた裕福な親戚の言葉は、
「お金の価値が減るのが嫌だから、
持ち続ければ価値が上がるビンテージワインや高級時計を買う」
という意味。
例えば、100万円を持ち続けて20年たっても、お金は増えない。
しかし、その100万円を使ってビンテージワインを購入したとする。
100万円だったワインは、20年後に先ほどの計算によると約149万円になる。
また、ビンテージワインはインフレ率とはまた別に上昇し続けるので、もっと価値が上がるだろう。
200万円ぐらいになってるかもしれない。
100万円を現金で20年間持ち続けた場合、20年後も100万円。
ただし価値は67%下がっている。
100万円を、価値の上がるモノに変換して持ち続けた場合、
20年後にはインフレ率を超えた価値のある物になる。
ある腕時計などは、2年前360万円だったものが、
今では中古価格でも500万円になった。
どうせ買うなら、そういうものを買って散々楽しんでから、
価値が上がった頃に売ればいい。
楽しめる上にお金まで増えて戻ってくる。