「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
という言葉があります。
私の解釈では、
ここで言う「経験」とは、
自分が覚えているもの、
つまり「記憶」であり、
ここで言う「歴史」とは、
事実を記したもの、
つまり「記録」である、
と捉えています。
つまり、
「愚者は『記憶』から学び、
賢者は『記録』から学ぶ」
となります。
人間の記憶はあてにならないもので、
しばしば都合の良いように書き換えられたり、
嫌なことは忘れてしまったりするのです。
これは脳の仕組みなので仕方がありません。
これは遥か昔の記憶に限ったことではなく、
つい最近の記憶まで改変されてしまいます。
よって、この記憶をもとに学ぶことは役に立ちません。
つまり、「私の経験上、○○だ」
というのは、役に立たないのです。
しかし事実を記した記録は違います。
こちらを元に学んでいく必要があります。
私がいつも、「自分の投資を全て記録するべき」と言っている理由がこれ。
記録を見返すと、ほんの一ヶ月前のものでも、
「あれ?こんなのあったっけ?」となります。
それぐらい人間の記憶は曖昧。
特に、ミスをした(痛い目を見た)トレードについては、
脳はすぐ忘れてしまう。
しかし、その忘れたかったミスの記録にこそ、
学ぶべきところがたくさんあるのです。